タマの痛みの正体は…細菌が逆行して精子の貯蔵庫に感染
精巣上体炎の症状は基本的に片側の陰嚢(いんのう)に起こります。最初は陰嚢の中の精巣上体の痛みで始まり、次第に陰嚢全体に痛みが広がっていきます。陰嚢が赤く腫れて熱を持ち、炎症が強いときは38度以上の全身の高熱も起こります。放置すると陰嚢に膿(うみ)がたまり、さらに悪化すると皮膚が破れて膿が出てくることもあります。男性不妊の原因になりますので早期の受診が肝心です。
他にも急に陰嚢に痛みが出る病気はあります。大人のおたふく風邪が原因の「ムンプス精巣炎」は、発症(頬や顎の下が腫れる)から4~7日後に陰嚢に痛みが出るのが特徴です。
精巣上体炎よりも陰嚢に急激に強い痛みが出るのが「精索捻転(睾丸回転症)」です。精巣に血液を送る血管や精管が入っている「精索」というヒモ状の部分が何かの拍子にねじれてしまう病気で、放置していると精巣が壊死(えし)します。
精巣上体炎との鑑別のポイントは「プレーン徴候」です。腫れている方の陰嚢を手のひらで持ち上げてみて、痛みが増大するのが精索捻転です。精巣上体炎では逆に痛みが軽減します。
いずれもキンタマの痛みは放置しないことです。