著者のコラム一覧
堀田秀吾明治大学教授、言語学者

1968年生まれ。言語学や法学に加え、社会心理学、脳科学の分野にも明るく、多角的な研究を展開。著書に「図解ストレス解消大全」(SBクリエイティブ)など。

達成したい目標はあえて誰かに公言した方がやる気が出る

公開日: 更新日:

 そんなダサい看板を敷地内に建てたい人なんていませんよね? 当然、8割の人が拒絶しました。ところが、あるグループの住民に限っては極めて好意的な反応が返ってきたというのです。なんと76%の承諾を得た――。いったい何をしたというのでしょうか?

 実は、このグループにだけは依頼の2週間前に、同じようにコミットメントを要請していました。その内容は、「安全運転をするドライバーになろう」と書かれた小さいシールを渡す程度のもの。「シールならいいか」と小さな要請に何の気なしに承諾してしまったそのグループは、別の大きな要請においても、一貫性のバイアスがかかってしまい拒否できずに承諾しようと思ったというわけです。

 余談ですが、世界的に著名な心理学者であるR・チャルディーニは、そういったさまざまな効果を検証し、まとめ上げた「影響力の武器」という名著を刊行しているので、興味がある方は一読するといいかもしれません。

 話を元に戻しましょう。「一貫性バイアス」によって、人に公言することでバイアスがかかり、推進する力が生まれることは確かでしょう。ですが、いきなり大きな目標を掲げるのではなく、小さな目標からスタートしたほうが賢明です。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    ロッテ佐々木朗希は母親と一緒に「米国に行かせろ」の一点張り…繰り広げられる泥沼交渉劇

  2. 2

    米挑戦表明の日本ハム上沢直之がやらかした「痛恨過ぎる悪手」…メジャースカウトが指摘

  3. 3

    陰で糸引く「黒幕」に佐々木朗希が壊される…育成段階でのメジャー挑戦が招く破滅的結末

  4. 4

    9000人をリストラする日産自動車を“買収”するのは三菱商事か、ホンダなのか?

  5. 5

    巨人「FA3人取り」の痛すぎる人的代償…小林誠司はプロテクト漏れ濃厚、秋広優人は当落線上か

  1. 6

    斎藤元彦氏がまさかの“出戻り”知事復帰…兵庫県職員は「さらなるモンスター化」に戦々恐々

  2. 7

    「結婚願望」語りは予防線?それとも…Snow Man目黒蓮ファンがざわつく「犬」と「1年後」

  3. 8

    石破首相「集合写真」欠席に続き会議でも非礼…スマホいじり、座ったまま他国首脳と挨拶…《相手もカチンとくるで》とSNS

  4. 9

    W杯本番で「背番号10」を着ける森保J戦士は誰?久保建英、堂安律、南野拓実らで競争激化必至

  5. 10

    家族も困惑…阪神ドラ1大山悠輔を襲った“金本血縁”騒動