汗っかきと多汗症の違いはどこにあるのか 受診の目安は?
治療は基本的に保険適用で外用薬の塗布や内服薬を処方されますが、医院によってはイオントフォレーシス(肌に微弱な電流を流し、薬剤を皮膚の深部まで浸透させる療法)や交感神経をブロックする手術があります。
一方、大人になって突然大量に汗をかくといった場合、別の要因が隠れている可能性が高いといえるでしょう。いわゆる汗っかきの方は、体温調整の機能が敏感な体質なので、気温の上昇や緊張時に大量に汗をかくのです。肥満の方は汗をかきやすいですが、汗っかきだと思っていたら、糖尿病が発覚する場合もあります。糖尿病によって末梢神経に影響が出て自律神経のバランスが崩れることで体温調整が難しくなってしまうのです。
また、「甲状腺機能亢進症」(バセドー病)の方も、多汗症に似た症状が出て病気が発覚するケースがあります。甲状腺ホルモンが過剰に分泌される病気で、甲状腺ホルモンには新陳代謝を活発にする働きがあり、汗の分泌量が増えるのです。
大人になって急に多汗症のような症状がみられるようになったら、血液検査などの精密検査を受けてください。原因となる基礎疾患を見つけ出し、治療すれば汗に関しては自然に落ち着くことがほとんどです。