“おまけ”だった右心室が突然死に関係しているとわかってきた
一方、右心室は肺に血液を送るだけなので、それほど大きな圧力は必要ありません。せいぜい20~30㎜Hgくらいあれば十分なので、左心室と比べると負担が少ないといえます。そのため、心臓のポンプ機能の中では“おまけ”のように考えられ、右心室のトラブルはそれほど重く見られていなかったのです。
しかし、近年になって「右心室の機能が低下していると突然死が増える」という報告もあり、研究が進んでいます。
■加齢によって重荷になる
もっとも、小児の心臓疾患、生まれながらの先天性心疾患の領域では、かねて右心室のトラブルは治療すべきとされていました。たとえば、若年者の突然死の原因となる不整脈源性右室心筋症(ARVC)という病気があります。右心室から病変が起こるケースが多く見られ、心筋が脂肪組織に置き換わってしまうことで心機能が低下し、致死性不整脈や心不全を引き起こす病気です。このARVCでは、以前から右心室の病変に対するカテーテルアブレーションや手術による治療の対象になっていました。