著者のコラム一覧
小林秀行東邦大学医学部泌尿器科学講座准教授

1975年、東京都生まれ。2000年東邦大学医学部を卒業。卒後研修終了後に東北大学大学院医学系研究科病理病態学講座免疫学分野に進学。医学博士を取得。ペンシルバニア大学獣医学部にてリサーチアソシエイト。その後、東邦大学医学部泌尿器科学講座に復帰。2014年より現職。日本泌尿器科学会専門医・指導医、日本生殖医学会生殖医療専門医。専門は男性不妊症。noteにてブログ「Blue-男性不妊症について」を配信中。

子供が欲しいのに元気がない場合の原因と治療は?

公開日: 更新日:

「別に女性に興味がないわけじゃないんです。妻と性交渉を行おうとすると、なぜか元気がなくなっちゃうんです。いけるかなと思う場合もあるのですが途中で萎えちゃうんです」

 お話をうかがうと、特に病気などはなく、診察所見も異常は見当たりません。

「マスターベーションではどうですか?」

「1人でするときは何の問題もありません」

■妻だけEDは珍しいことではない

 実はこうしたやりとりは、男性不妊症外来ではよくあります。私はAさんに次のように話しをしました。

「Aさんの事例は、男性不妊症で見られるEDではよくあることです。奥さんとの性交渉がプレッシャーに感じて、勃たなくなってしまうのです。身体が健康な証拠にマスターベーションでは大丈夫でしょう? 心因性によるケースが多いので、大抵は治りますよ」

 男性は、結婚生活が長くなり、性交渉があまりない環境だと、奥様のことを1人の女性というより家族の一員として認識するようになります。すると性欲がわかなくなるのです。女性は、男性は単純でいつでも元気になるくらいに考えているかもしれませんが、とてもナイーブなのです。

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