永田宏
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永田宏長浜バイオ大学コンピュータバイオサイエンス学科教授

筑波大理工学研究科修士課程修了。オリンパス光学工業、KDDI研究所、タケダライフサイエンスリサーチセンター客員研究員、鈴鹿医療科学大学医用工学部教授を歴任。オープンデータを利用して、医療介護政策の分析や、医療資源の分布等に関する研究、国民の消費動向からみた健康と疾病予防の解析などを行っている。「血液型 で分かるなりやすい病気なりにくい病気」など著書多数。

人も刺すネコノミ 蚊に似た吸血システムで「猫好き」は痒くならない

公開日: 更新日:

 しかし当時のノミとり粉は、ピレスロイドの含有量が少なく、あまり効かなかったようです。進駐軍のDDT散布が始まって、ようやくシラミとともに駆除されたのでした。ヒトノミは、今ではほとんど絶滅したと言われるほど見られなくなりました。

 代わって台頭してきたのがネコノミです。名前はネコでも、犬や人の血も吸います。猫に寄生しているノミのほぼ100%がネコノミですし、最近では犬に寄生しているノミも大半がネコノミと言われています。20代の私を悩ませたのも、こいつだったに違いありません。

■痒みの原因はアレルギー反応

 ノミの吸血は、蚊のそれとかなり似ています。細い針(口吻)を皮膚に突き刺し、血液凝固を防ぐ成分を唾液に混ぜて注入しつつ、血を吸っていきます。痒みの原因も同じで、ノミの唾液に対するアレルギー反応によるものです。しかも、それが4段階に分かれているところまでそっくりです。

 第1段階、つまりまだノミに刺されたことがない人は、体の中にはノミの唾液に対する免疫がないため、初めて刺されてもアレルギー反応が起こりません。痛くも痒くもないし、赤い発疹もできません。ところが何度か刺されていると(第2段階)、次第にT細胞やマクロファージがノミの唾液成分を認識するようになり、刺されてから1~2日後に痒みや発疹が生じるようになります(遅延反応)。

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