首<下>睡眠中の首の姿勢の正しさは寝返りの良さにあらわれる
立ち姿勢、座り姿勢、いずれも頭の上のリンゴが落ちないようなイメージで、体軸を意識した姿勢を心がけることは可能だろう。しかし、寝ているときは、どのように体軸を意識すればいいのか。それには「寝返りの打ちやすさ」がポイントになるという。
「寝返りというのは睡眠中、『体軸』を中心にベッドや布団の上を左右に転がる行為のことです。何の抵抗もなく回る寝返りこそ、快適な首姿勢で寝ている証拠であり、体が自ら求めて行っているアクションです。それに対して、寝苦しくて向きを変えるのは、寝姿勢が悪く、体がつらいため、苦しまぎれに行っているアクションと言えます。『寝返り』と『寝苦しくて動く』とは、違うことなのです」
通常、健康な成人は一晩で平均20回以上の寝返りを打つとされる。
睡眠中は、体を成長させたり、体内組織を修復させたり、心身の疲労を回復させたり、免疫力を高めたり……といった仕事をしている。スムーズに行うことができる“体にいい寝返り”には、次のような役割があるのだ。
①血液、リンパ液、関節液などの体内循環を促す