始業時間を1時間遅らせれば睡眠時間が長くなり成績が向上
英バーミンガム大学のフェイサー=チャイルズらの研究(19年)では、午前2時に寝て午前11時くらいに起きる夜型人間にとっては、「9時5時勤務は不利」と報告しています。夜型生活の人は、その生活習慣を変えない限り、仮に1時間スライドさせても改善は見られないというのです。
チャイルズたちは、午後11時前に寝て午前6時半に起きるといった朝型人間と、先述した夜型人間の脳をスキャンした上で、脳の働きを比較しました。その結果、午前8時から午後8時までの時間帯では、夜型人間の脳内では集中力をつかさどる領域の活動が少ないことが分かったといいます。注意力が散漫になる、反応が遅くなる、睡魔に襲われやすくなるといった傾向が見られたそうです。夜型傾向にある人が開始時刻を遅らせたとしても効果は薄く、まず夜更かしそのものを見直さなければならないのです。
基本的に人間は朝、光を浴びることでストレスホルモンと呼ばれるコルチゾールを分泌します。それによって脳が動き始めるのですから、朝日をきちんと浴びないと体内時計に悪影響が出てしまいます。それが続くとストレスや不安に襲われやすくなってしまいます。