富士フイルムが開発 新型コロナ肺炎の画像診断支援ソフトの実力
「シナプス ヴィンセント」とは、CTやMRIなどの断層画像から高精度な3Dを描出・解析して、医療画像を立体的に可視化することができるシステム。国内では、中規模以上の病院を中心に1400以上の施設に導入されているという。
新型コロナ肺炎の特徴的な画像所見とは、肺の陰影がすりガラスのような「すりガラス影」、網状の構造を持つ「網状影」、不透明な白い陰影の「浸潤影」など。マーキングされた疑いのある部分は、「水平」「前後」「垂直」の3種類の切断面と、どの方向・角度からも見られる3D表示が可能だ。
「AIには、COVID-19肺炎、COVID-19以外の肺炎、非肺炎のCT画像データを合計で約3000症例学習させています。ただし、このプログラムはCT画像情報のみを解析するものであり、COVID-19の感染の有無や肺炎の有無を判定するものではありません」
あくまで目的は医師の読影の補助ではあるが、PCR検査結果(陽性)と比較した試験では「感度87.5%」(高・中と評価される割合)という比較的高い性能が示されている。