日本人は「葉酸」が極めて不足…認知症・動脈硬化・うつ病のリスクが増大

公開日: 更新日:

「しかし日本では40年ほど前に葉酸を多く取ると体に害があるという間違った論文が発表され、それが否定されて以降も葉酸強化が行われていません。葉酸は妊婦さんに特に必要なのですが、国際的には600マイクログラム取れているのに対し、日本の令和元年の調査では230マイクログラムでした。もともと日本の妊婦推奨量は480マイクログラムと低い。しかしその約半分しか取れていないのです」

■1日400マイクログラムを目安に摂取したい

 葉酸がさまざまな病気予防に役立つことは研究で明らかになっている。

 いち早く指摘されたのが、胎児の時に発症する「神経管閉鎖障害(NTDs)」だ。流産や死産の割合が高くなり、脊髄が外に飛び出す二分脊椎の発症率を高める。妊娠前からの葉酸摂取でNTDsの発症率が低下することは複数の研究で証明されており、葉酸強化実施国では、NTDsのリスクが下がっている。

 一方、日本では妊活中の人や妊婦は推奨量240マイクログラムに加えサプリメントなどでさらなる量を取ることが望ましいとなっているものの、NTDs予防という意味では妊娠に気付いてから葉酸を摂取しては、既に妊娠初期に奇形ができてしまうので遅い。日本でのNTDs発症率は先進国の中で決して低くなく、二分脊椎発生率も増加傾向にある。

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    三浦大知に続き「いきものがかり」もチケット売れないと"告白"…有名アーティストでも厳しい現状

  2. 2

    「とんねるず」石橋貴明に“セクハラ”発覚の裏で…相方の木梨憲武からの壮絶“パワハラ”を後輩芸人が暴露

  3. 3

    サザン桑田佳祐の食道がん闘病秘話と今も語り継がれる「いとしのユウコ」伝説

  4. 4

    松嶋菜々子の“黒歴史”が石橋貴明セクハラ発覚で発掘される不憫…「完全にもらい事故」の二次被害

  5. 5

    NiziU再始動の最大戦略は「ビジュ変」…大幅バージョンアップの“逆輸入”和製K-POPで韓国ブレークなるか?

  1. 6

    今思えばゾッとする。僕は下調べせずPL学園に入学し、激しく後悔…寮生活は想像を絶した

  2. 7

    下半身醜聞の川﨑春花に新展開! 突然の復帰発表に《メジャー予選会出場への打算》と痛烈パンチ

  3. 8

    モー娘。「裏アカ」内紛劇でアイドルビジネスの限界露呈か…デジタルネイティブ世代を管理する難しさ

  4. 9

    伸び悩む巨人若手の尻に火をつける“劇薬”の効能…秋広優人は「停滞」、浅野翔吾は「元気なし」

  5. 10

    小松菜奈&見上愛「区別がつかない説」についに終止符!2人の違いは鼻ピアスだった