短時間で手術を終わらせるために患者さんの理解と協力も必要
このように短時間で手術が行われるためには、来院される直前まで患者さんによる食事などの自己管理が必要であると前回もお伝えしました。
ここで改めてそのことを説明しましょう。まず前日の夕食は21時までに済ませ、直前の飲食は厳禁となっています。
もし胃の中に飲食物が停滞した状態で手術に臨むと最悪の場合、手術中や術後に嘔吐の危険があります。そして、その嘔吐は高い確率で誤嚥し、気道を介して肺に到達し肺炎となります。
これは飲み物も同じで、コーヒーや牛乳、ジュースといったものも禁止です。ただし、水かお茶に限れば当日の早朝6時までなら可能としています。
また、その時に薬を服用されている方も、この時間までにお願いしています。ただ血糖を下げる薬を内服(注射)されている方は絶対に服用を避けるようにお伝えしています。
この飲食時間の制限は厳守してもらっていますが、過去にこのルールが守れずに手術が延期になったケースも実際にありました。
皆さんが気になさるものに入浴があります。入浴する場合も、手術前に入っていただくのが好ましく、特に臍部(へそ)は綿棒を使い清潔にした方が良いでしょう。ちなみに術後は傷口に防水の保護材を貼りますので、当日と翌日はシャワーで済ませ、その後は保護材を外して入浴が可能となります。術後の抜糸は不要ですし、手術中に問題がなければ再診のための来院も不要です。
このように患者さんの理解と協力の上に日帰り手術は成り立っているのです。