著者のコラム一覧
東敬一朗石川県・金沢市「浅ノ川総合病院」薬剤部主任。薬剤師

1976年、愛知県生まれの三重県育ち。摂南大学卒。金沢大学大学院修了。薬学博士。日本リハビリテーション栄養学会理事。日本臨床栄養代謝学会代議員。栄養サポートチーム専門療法士、老年薬学指導薬剤師など、栄養や高齢者の薬物療法に関する専門資格を取得。

この世の中に「副作用」のないクスリは存在しない

公開日: 更新日:

 クスリが体に合わないことで、アレルギー症状が出る場合もあるでしょう。これも立派な副作用です。副作用には重篤なものと軽微なものがあり、クスリの中には重篤な副作用は持っていないものも確かにあります。ただ、そういったクスリでも軽微な副作用は必ずあります。大事なことなので繰り返しますが、世の中に副作用のないクスリはありません。

 クスリは誰にとっても「異物」に変わりありません。ただし、クスリを使わなければならない人というのは、そういった異物の“チカラ”を使って体の調子を整えなければならない状態でもあります。そして、異物である以上、多かれ少なかれ副作用のリスクは存在します。特に高齢者は、体のあらゆる機能が低下しているため、副作用のリスクは大きくなってしまうのです。

 ここで重要なのは、「われわれ医療従事者もどんな副作用がどんなタイミングで出てくるかはわからない」ということです。そんな無責任な、と思われた方もいらっしゃるかもしれませんが、それが事実ですし、それがわかればわれわれも苦労しません。クスリの説明書にはさまざまな副作用や注意点について記載されていますが、残念ながらそのどれかの症状が出てしまう人もいますし、当然のようにまったく何も出ない人もたくさんいます。

 では、そういった副作用とどのように付き合っていけばよいのでしょうか。次回は、私が患者さんに説明する際に必ずお伝えしている「もっとも大事」で「どのクスリにも当てはまる」言葉とともに、副作用との付き合い方についてお話しします。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    巨人が戦々恐々…有能スコアラーがひっそり中日に移籍していた!頭脳&膨大なデータが丸ごと流出

  2. 2

    【箱根駅伝】なぜ青学大は連覇を果たし、本命の国学院は負けたのか…水面下で起きていた大誤算

  3. 3

    フジテレビの内部告発者? Xに突如現れ姿を消した「バットマンビギンズ」の生々しい投稿の中身

  4. 4

    フジテレビで常態化していた女子アナ“上納”接待…プロデューサーによるホステス扱いは日常茶飯事

  5. 5

    中居正広はテレビ界でも浮いていた?「松本人志×霜月るな」のような“応援団”不在の深刻度

  1. 6

    中居正広「女性トラブル」フジは編成幹部の“上納”即否定の初動ミス…新告発、株主激怒の絶体絶命

  2. 7

    佐々木朗希にメジャーを確約しない最終候補3球団の「魂胆」…フルに起用する必要はどこにもない

  3. 8

    キムタクと9年近く交際も破局…通称“かおりん”を直撃すると

  4. 9

    フジテレビ「社内特別調査チーム」設置を緊急会見で説明か…“座長”は港社長という衝撃情報も

  5. 10

    中居正広「女性トラブル」に爆笑問題・太田光が“火に油”…フジは幹部のアテンド否定も被害女性は怒り心頭