サル痘は「目」の合併症にも気を付けたい 失明につながる危険も
厚労省は25日、国内で初めてサル痘の感染者を確認したという。世界保健機関(WHО)のテドロス事務局長が「国際的に懸念される公衆衛生上の緊急事態」を宣言してわずか2日目のことだ。ところが日本人のサル痘に対する危機感は薄い。「感染者の多くは男性間性交渉者(MSM)のネットワークの中で集中している」などと報じられ、自分は無関係と感じている人が多いからだ。しかし、サル痘は感染者の体液を介して誰でも感染する。失明につながる目の病気など重篤な合併症も報告されている。「自由が丘清澤眼科」(東京・目黒区)の清澤源弘院長に聞いた。
■コンゴでは10歳未満が多く発症
気になる目の病気の報告は2014年発表の国際感染症雑誌に掲載されている。タイトルは「急性サル痘ウイルス感染、コンゴ民主共和国に関連する目の合併症」だ。
「それによると、10年に米疾病対策センター(CDC)はコンゴ保健省と提携してサル痘のサーベイランスを実施。監視の一環として、疑わしい症例を調査し、診断サンプルと病気の兆候と症状に関する情報を収集しています。その結果、サル痘のうち23.1%が結膜炎を発症しており、その多くが10歳未満だったことがわかったのです」