著者のコラム一覧
堀田秀吾明治大学教授、言語学者

1968年生まれ。言語学や法学に加え、社会心理学、脳科学の分野にも明るく、多角的な研究を展開。著書に「図解ストレス解消大全」(SBクリエイティブ)など。

客観視が伸びしろになる 能力が低い人ほど自分を過大評価

公開日: 更新日:

 この実験を行った研究者の名前を取って、実際には能力の低い人が自分の容姿や言動について過大に評価する認知バイアスを「ダニング=クルーガー効果」と呼んでいます。

 裏を返せば、自分に自信がないのは、それだけ自分自身を客観視できている証拠なのです。

「あなたが無能なら、あなたは自分が無能であることを知ることはできない。正しい答えを生み出すために必要なスキルは、正解が何であるかを認識するために必要なスキルと同じである」とはダニングとクルーガーの弁です。自分を過小評価しろとは言いませんが、謙虚な気持ちは、結果的に自分自身の状態を客観的に判断するメタ認知につながります。

 自分のマイナス面を受け入れることは◎。むしろ、自分の思考や行動を客観的に把握し、認識するメタ認知ができない人ほど、うぬぼれてしまい、上から目線だったり、自身を過大評価して、成長の機会を失わせているのです。

 実際、「あなたは平均よりも運転がうまい方ですか?」というアンケートに対して、実に70%が「私は平均以上です」と回答していることからも、そもそも「自分は大丈夫」「他人は自分より下」と決めつけて考えている人が多いと考えられます。

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