なぜ「おひとりさま死」は在宅を選択肢に入れるべきなのか(1)

公開日: 更新日:

 そんな一人暮らしの高齢者は自宅でなく大勢の人が行き来する病院で亡くなった方が孤独でないように思われるかもしれない。しかし、必ずしもそうではないという。

「私たちのクリニックでは、年間200人以上を自宅でお看取りしており、約半数は一人暮らしの方々です。その方々は決して孤独な死にはなりません。なぜなら、在宅診療では『おひとりさま』のお看取りをチームみんなで支えて見守ってきて、ともに同じ時を過ごしたという思いが強いため、最期の瞬間が一人であったとしても、決して『孤独な死』という感覚ではありません。また、在宅の看取りで重要な点は、そこが患者の『ホーム』であることです」

 患者にとって、病院はどれだけ周りが親切でも「アウェー」には変わりがない。どこか遠慮が出てしまう。自宅ならば、わがままや医療・介護への不平不満も言いやすい。

「病院では認められない飲酒や喫煙、食事も自宅なら医師や看護師との相談次第で認めてもらえる。慣れた自宅での生活は、最期の時間まで自分らしく過ごしやすいし、介入する介護職とも『友人』『家族』のような距離感の近い感覚で接することができるのです」

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    「転職者は急増」なのに「人材派遣会社は倒産」が増えているワケ

  2. 2

    俳優・山口馬木也さん「藤田まことさんは『飲め、飲め』と息子のようにかわいがってくれた」

  3. 3

    驚きの品揃え! ダイソーでほぼすべて揃う「防災グッズ」の実力は?

  4. 4

    優勝の祝儀で5000万円も タニマチに頼る“ごっつぁん体質”

  5. 5

    前代未聞の壮絶不倫・当事者のひとりがまたも“謎の欠場”…関係者が語った「心配な変化」とは???

  1. 6

    長嶋一茂はこんなにも身だしなみを意識している? VIOはもちろんアンチエイジングも

  2. 7

    大関・大の里すでに「師匠超え」の鋼メンタル!スキャンダル報道もどこ吹く風で3度目賜杯

  3. 8

    大関・大の里3度目優勝で期待される「大豊」時代の幕開け…八角理事長も横綱昇進に期待隠さず

  4. 9

    自信なくされたら困るから? 巨人・田中将大がカブス戦登板「緊急回避」の裏側

  5. 10

    国民民主党はやっぱり与党補完勢力だった! 企業・団体献金「存続」で自民党に塩を送る罪深さ