飼い主と犬は性格が似る のんびりした人の愛犬はのんびり傾向
実験は、まず判定者500人に対して、飼い主と犬の写真を組み合わせ、そして飼い主と犬をランダムに入れ替えた写真を見せたそうです。その上で、「飼い主のみ目を隠す」「飼い主のみ口を隠す」「犬の目を隠す」「双方ともに目のみが露出」「双方ともに顔を隠さない」という具合に5種類のパターンに分け、どの飼い主と犬が正しい組み合わせかを回答してもらいました。すべて見えていたら何となく分かりそうなものですが、部分的にしか見えていないパターンの場合には、なかなかの難易度です。ところが「双方ともに目のみが露出」の写真であっても、正答率はなんと74%だったそうです。
逆に、目が隠れると正答率は水準、または水準以下に落ち込んだといいます。「双方ともに顔を隠さない」の写真の正答率が80%だったことを考慮すると、目の類似性こそが飼い主と犬が似ているポイントと言えそうです。
繰り返し接すると好意度や印象が高まる「単純接触効果」というものがあります。中島は、これが犬と飼い主の顔が似る一因になっているのではないかと推察しています。
また、米ミシガン州立大学のチョピクとウィーヴァーの研究(2019年)では、約1700匹の犬の飼い主たちに、自分自身の性格と飼い犬の性格について比較してもらったところ、「犬の性格は飼い主に似る」ことが分かったといいます。