料理好きな認知症患者…火事を防ぐために何ができるのか

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 また、料理が好きな人に無理やりやめさせると、生きる楽しみを奪ってしまう。認知症は進行性の病気なので残された時間は限られています。家族で協力しながら本人が好きなことを少しでも長く続けるほうが、本人のQOL(生活の質)を高めると私は考えています。

「この間、料理中に鍋焦がして大変だったよね。どう防げばいいかな?」など、家族が感じている心配な気持ちを本人に相談しましょう。一度失敗した経験があると、本人も不安を感じているはずです。初めから何も分からないと決めつけて話し合わないと、本人はそれに気付いて寂しさを感じ、何かあっても家族に相談してくれなくなります。

 家を留守にする際は「お母さんの味を教えてほしいからあとで一緒に作りたい」といったように、認知症の方がうれしいと感じる言葉を伝えてください。認知症になると何もかも忘れると思われがちですが、忘れるのは重要度の低い内容です。うれしいと感じた言葉は比較的長く記憶されやすいのです。メモを見る習慣がある人であれば、目のつく場所に伝えた内容を書いて貼っておくのも有効です。

 安全性の高いガスコンロに買い替えるのも効果的です。08年からは、ガスコンロを販売する際、Siセンサーの搭載が義務化されました。このセンサーは鍋底の温度を感知して、一定の温度を超えたり加熱時間が長いと自動で消火し火事を防ぎます。

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