「腰痛の8割は原因不明」は古い…最新報告は「8割は診断可能」
一般的な街にたくさんある整形外科のクリニックには、MRIがなくレントゲンによる検査しかできないことが多いのですが、このレントゲン撮影では骨は映りますが、椎間板などといった、より詳細な部位を見ることができません。そのため患部を見落としたわけではないのですが、判断ができないということが少なくないのです。この方の場合もそんな理由で患部の特定ができなかったようです。
そこで私は画像検査を実施すると、椎間板に変性があり、椎間板ヘルニアが認められたことから当院の治療を実施し、術後のリハビリとして水中ウオーキングを始めてもらいました。
この運動・ストレッチは術後の患者さんには必ず指示していますが、特に水中での運動は、腰や足の痛みやしびれで歩くことが困難な方には、転倒などのリスクがなく、それに空気中と比較すると水の抵抗があるため適度な筋肉への負荷がかかり、より効果が期待できます。
こうして1週間後には足首の痛みが軽減し、3カ月後には長時間立っていると腰が重くなるものの、痛みはない程度になりました。引き続き水中ウオーキングなどのリハビリを自主的に行ってもらうようにし、現在はコルセットなしで生活ができるレベルにまで改善しています。