新インスリン治療「BPT療法」は何がすごい? 経口薬への切り替えも可能に
インスリンは血糖を下げるホルモンで、膵臓から分泌される。GLP-1(グルカゴン様ペプチド-1)は食物の摂取後にインスリン分泌を促すインクレチン(消化管ホルモンの総称)のひとつで、膵臓の細胞の表面にあるGLP-1受容体を刺激することで活性化する。
これまでも経口血糖降下剤とインスリンを組み合わせたBOT療法があったが、期待したほどの効果が得られないケースもあった。
しかし、BPT療法の登場で、血糖コントロールが可能になる患者が続出しているという。
「50代の男性はBOT療法でHbA1c(血糖正常化を目指す際の目標値6.0%未満)が12%から8%台まで下がったものの、体重が増加しました。そこで、さらなるHbA1cの低下と体重の減少を実現するためにBPT療法を採用したところ、HbA1cは7%以下となり、体重も減少することに成功したのです」
いままでのインスリン療法は、食事をする前後に即効型あるいは超即効型のインスリン注射を打って食後高血糖を抑えつつ、空腹時の血糖値が高い人には、インスリンの基礎分泌不足を補うための持効型のインスリンも併せて打っていた。