認知症の親についカッとなってしまう…どう対処すればいい?
介護者がイライラなら、本人もイライラ
また、医療・福祉サービスを利用し始める前は、介護に対する責任感からためらいや遠慮といった「心理的ハードル」を感じる方も少なくありません。介護者と本人は合わせ鏡で、介護者がイライラしていれば、本人も同じくイライラします。介護者の心に少しでも余裕ができるよう、デイサービスをはじめとした介護保険サービスを積極的に利用してください。その際、介護の悩みについて介護の専門職種であるケアマネに相談し、アドバイスをしてもらうとよいでしょう。
気の知れた友人に愚痴を聞いてもらったり、認知症の家族会に参加して、当事者同士で悩みを打ち明けるだけでも、気持ちが楽になることもあります。一人で抱え込まず、周囲の人を頼ってください。
▽杉山孝博(すぎやま・たかひろ) 1973年東京大学医学部卒業後、東大医学部付属病院で内科研修。75年に川崎幸病院に内科医として勤務し、87年からは同院で副院長を務める。98年から川崎幸病院の外来部門を独立させた川崎幸クリニックが設立され、現在まで院長を務める。81年から公益社団法人「認知症の人と家族の会」に参加し、現在は神奈川県支部の代表を務める。