著者のコラム一覧
天野篤順天堂大学医学部心臓血管外科教授

1955年、埼玉県蓮田市生まれ。日本大学医学部卒業後、亀田総合病院(千葉県鴨川市)や新東京病院(千葉県松戸市)などで数多くの手術症例を重ね、02年に現職に就任。これまでに執刀した手術は6500例を超え、98%以上の成功率を収めている。12年2月、東京大学と順天堂大の合同チームで天皇陛下の冠動脈バイパス手術を執刀した。近著に「天職」(プレジデント社)、「100年を生きる 心臓との付き合い方」(講談社ビーシー)、「若さは心臓から築く 新型コロナ時代の100年人生の迎え方」(講談社ビーシー)がある。

てんかん患者の心臓手術は抗てんかん薬の管理が重要になる

公開日: 更新日:

 子供に発症する病気というイメージを持っている人が多いでしょうが、高齢者での発症も多く見られ、日本では約100万人のてんかん患者さんがいるとされています。

 高齢者の場合、脳梗塞、脳出血、くも膜下出血などの脳卒中や、頭部外傷、脳腫瘍、脳炎などで脳組織が障害を受けたことの後遺症として発症するケースが多く、脳卒中後の5%程度に発症し、脳卒中の発症から数年以内に起こる場合が多いといわれています。また、加齢による脳の変性によっててんかんが起こりやすくなるケースも報告されています。

 てんかん発作は、過剰な興奮が起こる部位や電気的な興奮の広がり方によって細かく分類されていて、自分の意思とは無関係に勝手に筋肉が強く収縮するけいれんが起こったり、全身が強直する発作もあります。さらに、発作が5~10分以上長く続いたり、短い発作を何度も繰り返す「てんかん重積」と呼ばれる状態を来すケースもあり、約20%の死亡率があるためすぐにけいれんを止める治療が必要になります。

手術中にてんかん発作が起こると危険

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    「ダウンタウンDX」終了で消えゆく松本軍団…FUJIWARA藤本敏史は炎上中で"ガヤ芸人"の今後は

  2. 2

    大阪万博「遠足」堺市の小・中学校8割が辞退の衝撃…無料招待でも安全への懸念広がる

  3. 3

    のんが“改名騒動”以来11年ぶり民放ドラマ出演の背景…因縁の前事務所俳優とは共演NG懸念も

  4. 4

    フジ経営陣から脱落か…“日枝体制の残滓”と名指しされた金光修氏と清水賢治氏に出回る「怪文書」

  5. 5

    【萩原健一】ショーケンが見つめたライバル=沢田研二の「すごみ」

  1. 6

    中居正広氏の「性暴力」背景に旧ジャニーズとフジのズブズブ関係…“中絶スキャンダル封殺”で生まれた大いなる傲慢心

  2. 7

    木村拓哉の"身長サバ読み疑惑"が今春再燃した背景 すべての発端は故・メリー喜多川副社長の思いつき

  3. 8

    大物の“後ろ盾”を失った指原莉乃がYouTubeで語った「芸能界辞めたい」「サシハラ後悔」の波紋

  4. 9

    【独自】「もし断っていなければ献上されていた」発言で注目のアイドリング!!!元メンバーが語る 被害後すぐ警察に行ける人は少数である理由

  5. 10

    上沼恵美子&和田アキ子ら「芸能界のご意見番」不要論…フジテレビ問題で“昭和の悪しき伝統”一掃ムード