「僕を応援して!」とアピった20代イケメンが女性たちから総スカン。壮大な勘違いを見抜けますか?

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コクハク

私たちが「推し」に課金する理由

「推し」に課金することが当たり前になってきたこの頃、その流れに便乗する人が出てきています。「自分を応援してほしい」という人たちです。

「夢があるから支援してほしい」などと言ってくる彼らを、どうすれば上手に撃退できるのでしょうか。

【内藤みかのあたらしいのがお好き】

 最近は、推しの存在が当たり前になってきています。多くの人には推しのタレントやスポーツ選手がいて、彼らを応援しているのです。それはライブやスポーツ観戦をしたり、それなりにお金がかかることでもあります。

 コロナ禍以降はチケット代や現地での宿泊費などが高騰し、推し活もなかなか大変になってきていますが、誰かを応援したい人はむしろ最近増えているように感じます。

 応援することで、その人や社会と繋がりを持ち、心の安定を求めているのかもしれません。

多岐に渡る応援相手
 ここ数年は特に、応援する相手は有名人に限らない流れが起きています。お気に入りのYouTuberやライブ配信者に投げ銭すること、ハマっているホストのためにシャンパンを開けること、これらもすべて「応援」のワードでまとめることができるのです。

 さらに、クラウドファンディングという応援のカタチも広がりつつあります。その人が新しい商品やイベントを計画した際、プロジェクトを支えるために支援するもので、たとえば配信者が洋服ブランドを作って販売したいといった時に、その服を先行予約する形で応援するのです。

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応援されたい男たち

 こうした世の中の動きを見ていて、20代のA君は「自分も誰かに応援してもらいたい」と考えました。しかし普通のフリーターである彼は、応援してもらえるネタがありません。

 そこで「夢を持てば応援してもらえそうだ」と考えたのです。

 A君はイケメンだと言われることがあり、ルックスには多少の自信を持っていたので、「モデルになりたいです。僕のことを応援してください!」などと、マッチングアプリのプロフィールに書いて登録してみました。

理由を並べて出資を募る
 A君はプロフィールに「モデルになりたいのですが、生活するのに精一杯で、歯列矯正やウォーキングレッスンのお金をなかなか作ることができません。有名になりたいので僕のことを応援してください!」と具体的な理由を書いて、出資者が現れるのを待ちました。

 その日のうちに裕福なマダムがコンタクトを取ってきて「それでいくら必要なの?」とポンと何百万円も出してくれたらいいなとA君は妄想していました。

 しかし、待てど暮らせどそのような女性は現れません。

「何でもします」と伝えても…

 しかたなくA君は、自分から飲み屋で知り合った女性に応援をお願いする手段に出ました。しかし、どの女性にも鼻で笑われるばかりで、誰にも応援してもらえません。

「応援してくれるのなら何でもします!」と言ってみても、ダメでした。

 中には、何年もスケート選手を応援している女性もいたので「スケート選手は応援するのに、どうして僕は応援してくれないのですか」とA君は食い下がりました。すると即答で、「あなたには努力している様子が見えない」と言われてしまったのです。

努力するから応援される
 結局A君は、今日まで誰にも応援してもらえないままです。努力をしたら応援してもらえると言われても、本当はモデルになる気もないので、頑張る気持ちになれず、何もしていません。今後も期待はできないでしょう。

「熱く夢を語ればすぐに応援してもらえると思っていたけど、甘かった」とA君も現実の厳しさを悟ったそうです。

 A君だけでなく、夢を理由に女性に応援をせがむ男性が後を絶ちません。本気で頑張っているか、心底応援できそうかなど、推す側も厳しいチェックが必要になってきています。

(内藤みか/作家)

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