元広島水沼四郎さんは居酒屋店主 ”江夏の21球”を解説も
5年前、広島市民球場がJR広島駅そばに移転。以来、流川はシーズン中でも閑古鳥が鳴いているとか。
「じゃけー、今まで通りのやり方じゃ、もうやっとられん。で、インパクトがあるスタイルにと思うて、料理は100円、ドリンクはオール500円にした。税込みじゃけん、100円ショップより安いんじゃ。当然、人を雇う余裕なんかないけえ、カミさんと夫唱婦随でガンバっとるんよ」
安いだけが取りえではない。野菜は県内・熊野町の契約農家から“朝どれ”を直接仕入れており、風味も鮮度も抜群。また、ボリュームも100円にしては申し分ない。
「じゃろ? 安くてウマい! おまけに野球の話ならとことん付き合う。そんな居酒屋じゃけん、カープファンじゃのうても気軽に来んさいよ」
初めてのお客さんは誰もが「江夏の21球」を聞きたがる。
「当時の野球中継をDVDに録画してあるけ、それを見ながら解説すると、そりゃあ喜ばれての。ひと晩に3回、なんて日もあるんじゃ。1死満塁で石渡(茂)のスクイズを見破った場面? あれはミエミエじゃった。石渡は中大の後輩での。いつもなら話しかけると、ニコッと笑顔を返してきたんじゃが、あん時は表情が硬い硬い。“スクイズじゃろ?”とカマをかけても、ひと言もしゃべらんかったけん。しかし、あげな試合、二度とできんじゃろうなあ」