「NHKが危ない!」池田恵理子、戸崎賢二、永田浩三著

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■NHKへの政治介入人事が国民の知る権利を奪う

 昨年末に任命された4人のNHK経営委員。それは、「安倍晋三総理大臣を求める民間人有志の会」メンバーだった百田尚樹氏と長谷川三千子氏、安倍首相の家庭教師だった本田勝彦氏、安倍首相を囲む財界人の会メンバーと関係の深い中島尚正氏という、“偏り”が明らかな顔ぶれだった。

 ときの権力者を支持する人物が送り込まれたNHKは、今後どうなるのか。池田恵理子、戸崎賢二、永田浩三著「NHKが危ない!」(あけび書房 1600円)では、かつてNHKで番組作りに携わってきた元ディレクターら3人が、NHKと、主権者たる国民に迫る危機を明らかにしていく。

 集団的自衛権の行使容認を推し進める安倍政権。年来の主張である「戦後レジーム(政治体制)からの脱却」を目指し、日本の国家を大きく転換しようとしている。こうした方向を目指すうえで、邪魔になるのはメディアからの批判だ。とくに、多くの国民が判断のよりどころにするテレビで政権に都合の悪い報道をさせないことは不可欠で、NHKに対する介入も安倍政権による計画的な工作ではないかと本書。

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