「潔白」青木俊著
札幌地裁に再審請求が出された。15年前に既に死刑が執行された三村事件だった。
スナックを経営する女と小学生の娘が殺された事件で、三村孝雄は無実を主張し、他の容疑者の目撃情報もあったが、精液のDNA鑑定で犯人と断定されたのだ。
だが、足利事件でDNAの再鑑定の結果、冤罪が証明されたことから、三村の娘が再審請求に踏み切った。
検察は、当時の精液試料が残っていないことから再鑑定はできないと考えたが、被害者遺族に返却されていた下着が残っていた。
鑑定はできる! 再審決定の可能性が高くなったとき、突然、担当の判事が異動になった。
誤審を隠蔽しようとする国との闘いを描く法廷ミステリー。
(幻冬舎 1500円+税)