「樹木たちの知られざる生活」ペーター・ヴォールレーベン著 長谷川圭訳

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 ドイツで長年、森林の管理と保護に携わってきた著者が、樹木の知られざる生態と森の素晴らしさについてつづったエッセー集。

 ある日、氏はブナの木が集まる場所で苔むした岩を見つける。よく見ると、それは400~500年前に切り倒された木の切り株だった。周囲にも同じような切り株があり、それらは腐らずに生きていた。おそらく、近くの樹木から根を通じて手助けを得ていたのだという。樹木は根と根が直接つながったり、根の先を包んだ菌糸が栄養の交換を手伝ったりすることがあるからだ。

 樹木の「友情」を語るそんな一文をはじめ、芳香物質を使って行う樹木間のコミュニケーションなど、樹木の驚異の能力と社会性を伝える世界的ベストセラー。

(早川書房 700円+税)

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