秋に長引く苦しい咳 疑うべき6つの要因
「内服や注射のステロイドは骨粗しょう症などの副作用がありますが、吸入ステロイドで用いる量はごく少量である上に、薬効成分は肺だけで全身に影響を及ぼさないので、ステロイドで心配される副作用が生じることはほとんどありません」
喘息の治療は、「発作を起きないようにする」「起きた発作を止める」が2大柱。特にポイントとなるのは前者で、吸入ステロイドの毎日の吸入は、それを可能にする。
「喘息は完治が困難ですが、薬をきっちり使うことで、健康な人と同じ生活を送ることができます。吸入ステロイドへの偏見を捨て、正しく利用してください」
<5.喫煙者は1~3以外の危険がある>
「現在ならびに過去に喫煙している人は、咳が実はCOPD(慢性閉塞性肺疾患)の急性増悪だったということも珍しくありません。急激に呼吸困難に陥ることがあるので、“いつもと違う咳”と感じたら、3週間を待たずに、すぐに専門医を受診してください」
<6.重い病気や呼吸器以外も原因に>
「まずは、肺がんです。肺がん患者は喫煙者が多数を占めると思われていますが、最近では非喫煙者も無縁ではありません。また肺結核などの感染症も減ってはいません。呼吸器以外の病気では、胃食道逆流症、副鼻腔炎、うっ血性心不全などが考えられます。呼吸器の専門医なら、念頭に置いて診察するので、見逃しません」
たかが咳、と思ってはいけない。