突然死を招くケースが増加 “痛くない”心筋梗塞の恐怖
“痛みがなければ心筋梗塞を起こしているかどうかわからないじゃないか”――。そう思われがちだが、無症候性心筋梗塞にはサインもある。
「重要なのは冷や汗です。心筋梗塞が起きると全身に送られる血液の量が急激に低下します。このとき、末梢血管はすぐに収縮し、生きるために最低限必要な血液を脳や心臓に優先的に送ろうとします。これは非常事態に対し交感神経が興奮して生じる現象ですが、末梢血管だけでなく汗腺にも刺激が伝わるため、汗が皮膚にしぼり出されます。これが冷や汗なのです」
悪寒がする、吐く、めまい・ふらつきがある。これも危険な兆候だ。普段の体調不良の中には、無症候性心筋梗塞も含まれているかもしれないのだ。
では、どんな人が無症候性心筋梗塞を起こしやすいのか?
「糖尿病の患者さんや高齢者の方です。長期間、糖尿病を患っている患者さんは神経障害を起こしておられ、痛みを感じません。高齢者の方も同じです。先ほどのようなサインを感じたら病院で診てもらいましょう」