「うつ病」の原因は感染症? 新説で治療はどう変わるのか

公開日: 更新日:

 なぜ、体の炎症がこころの病気を引き起こすのか?

「通常、体に炎症が起きると、免疫系の細胞が動き出します。その代表は血液中にある白血球のひとつである単球ですが、通常は脳内に入ることはありません。脳内の免疫を主に担っているのは、単球と類似した起源を持つと考えられているミクログリアです」

 脳は1000億個もの「ニューロン」と呼ばれる神経細胞で構成されている。ミクログリアは脳内に侵入した細菌や腫瘍細胞を殺したり、脳内の老廃物を食べて清掃する働き(貪食能)がある。そのためのサイトカインやフリーラジカル(活性酸素)などを放出するが、それらが過剰になると逆に脳内の障害を引き起こしてしまう。

「この働きがいき過ぎると、正常なニューロンの働きを阻害し、ときに殺してしまうことがあります。まず、ニューロン同士の情報送信器(神経線維)が束になった白質が障害を受けます。白質の機能が弱まると、抑うつ、不安、幻覚、妄想などの精神症状が出現し、さらに進行するとニューロンそのものの減少(脳の萎縮)につながり、アルツハイマー病などの認知症に発展するとの考えもあるのです」

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    大谷翔平の28年ロス五輪出場が困難な「3つの理由」 選手会専務理事と直接会談も“武器”にならず

  2. 2

    “氷河期世代”安住紳一郎アナはなぜ炎上を阻止できず? Nキャス「氷河期特集」識者の笑顔に非難の声も

  3. 3

    不謹慎だが…4番の金本知憲さんの本塁打を素直に喜べなかった。気持ちが切れてしまうのだ

  4. 4

    バント失敗で即二軍落ちしたとき岡田二軍監督に救われた。全て「本音」なところが尊敬できた

  5. 5

    大阪万博の「跡地利用」基本計画は“横文字てんこ盛り”で意味不明…それより赤字対策が先ちゃうか?

  1. 6

    大谷翔平が看破した佐々木朗希の課題…「思うように投げられないかもしれない」

  2. 7

    大谷「二刀流」あと1年での“強制終了”に現実味…圧巻パフォーマンスの代償、2年連続5度目の手術

  3. 8

    国民民主党は“用済み”寸前…石破首相が高校授業料無償化めぐる維新の要求に「満額回答」で大ピンチ

  4. 9

    野村監督に「不平不満を持っているようにしか見えない」と問い詰められて…

  5. 10

    「今岡、お前か?」 マル秘の “ノムラの考え” が流出すると犯人だと疑われたが…