30代でも発症の可能性 突然襲う「若年性白内障」の恐怖
糖尿病の人や近視が強い人も、年齢が若くても白内障を発症しやすいことが分かっている。
生活習慣の欧米化により、日本では糖尿病患者が増えている。高血糖状態なのに自覚しないまま放置している人もたくさんいる。近視によってメガネやコンタクトレンズで視力を矯正している人も増加していて、約5000万人が矯正が必要なレベルの近視だという調査もある。パソコンやスマホなどが当たり前の時代になり、さらに近視が増えるといわれている。
「こうしたさまざまな要因が重なり、これから若年性白内障の患者が増える可能性もあります。問題なのは、40~50代あたりで物が見えにくくなっても、『老眼だろう』とか『メガネが合わなくなってきたんだろう』などと思い込み、白内障を疑う人が少ないことです。放置していると最悪の場合は失明しかねないだけに、物が見えにくくなったり、まぶしく感じられるときは、眼科で検査を受けてください」
もちろん、予防も大切だ。目がかゆくてもこすったり、叩いたりすることは避ける。長時間、屋外で活動するときはサングラスやつばの広い帽子をかぶって紫外線をシャットアウトする。アレルギーや糖尿病がある人は、まず元の病気をしっかり治療しながら、食事などの生活習慣を改善する。若いから白内障の心配はないと思い込んではいけない。