体内に“接着剤”も 「下肢静脈瘤」治療事情が激変していた
2013年に保険適用になったレーザー治療は、下肢静脈瘤の治療で用いられるレーザーとしては「第2世代」と呼ばれる。ストリッピング手術では不可欠な半身・全身麻酔は不要。皮膚を切開しないので傷がつかず、日帰りも可能だ。しかし、複数の問題点が残っていた。
「術後は皮下出血や痛みがあり、100%鎮痛剤が必要。また、高熱のレーザーによって血液が沸騰状態になり、3秒で血栓ができてしまう。その率は要治療の血栓が7.4%、小さい血栓を含めると33%でした」
そこで、保険適用の治療として榊原医師が行っているのが「ラジオ波焼灼術」。熱で血管を焼くメカニズムは同じだが、低出力なので鎮痛剤が必要な率は20%、要治療の血栓ができる率は2.7%と大幅に下がった。
しかし、世界はもっと安全で確実な治療法が進歩している。保険適用外になるが、話題の最新治療が2つある。ひとつは第2世代から大幅に進歩した「次世代型」のレーザー治療だ。
「一定間隔の断続的なパルスレーザー照射方式のため、治療部位が高温にならない。問題視されていた皮下出血と血栓の率は0%。鎮痛剤が必要なのも3%程度です」