【不明熱感染症外来】東京高輪病院/感染症内科・総合内科
同外来を訪れる患者は、他院からの診断困難例の紹介患者と他院での診断治療に不安を持つ患者の割合が半々。不明熱の診療は問診が重要になるので、初診は1人30分以上の時間をかけるという。
■常に流行病の発生状況をチェック
「原因を探るのは、ごまんとある飲食店の中からおいしい店を探すのと似ています。発熱以外に症状はあるか、仕事は、どんなものを食べているか、海外へ行ったか、同居者の様子、ペットを飼っていないかなど。あらゆることを徹底的に聞き取って、病因を絞り込んでいきます。皮疹や腫れなどの症状を本人が気づいていない場合があるので、頭のてっぺんから足先まで、全身も診ます」
同科では国内外問わず、常に流行病の発生状況をチェックしている。たとえば軽症ではインフルエンザと区別がつかないレプトスピラ症という病気がある。ネズミの尿にいる菌が原因となり、日本では本州での発症はごくわずか。ある中年男性が家族旅行で沖縄に行き、川で泳いだことがヒントになり、感染が判明した症例がある。都市部の一般内科では、まず気づくことは少ないという。