【脳卒中のリハビリ】東京慈恵会医科大学附属病院リハビリテーション科(東京都港区)
「例えば、脳卒中で左脳が障害を受けると、右脳が過剰に働き、左脳の働きは抑制されてしまいます。それを磁気刺激で右脳の過剰な働きを抑え、左脳を活性化させて、脳の働きのバランスを再構築するのです」
TMS治療は、1日1回2400発の磁気刺激を40分くらいかけて行う。それによって脳の反応性が高まったところで、集中的にリハビリを行うのだ。リハビリの内容は何十通りもあり、後遺症の改善度に合わせて組み合わせを変えていく。そして、退院時には自宅でできるリハビリを指導して、日常的にリハビリを続けることが大切になるという。
「NEUROでせっかく改善した手足の動きも、退院後に使っていなければ元のマヒした状態に戻ります。69歳以下、70歳代、80歳以上で比較しても年齢では改善度は変わりありません。改善度に最も関係するのは、患者さんの“やる気”です」
関連病院を含めた過去1726例でまとめたデータを見ても、TMS治療の副作用は、ほとんどない。
めまいや不快感、頭痛などを感じた患者が22人いたが、治療をやめるほどの症状ではなく、治療を途中でやめた脱落者はゼロだ。