死亡者数が最多 肺がんを減らすにはまだまだ時間がかかる
ある日、Rさんから電話がかかってきました。「自分の人生に悔いはないと思っています」と言いながら、それでも「2人の孫が大学、高校に入学する来春までは頑張らなければ」と話されていました。その心中はいかばかりであったでしょう。そのようにおっしゃってはいましたが、無念の気持ちが伝わってきました。今年は、Rさんが亡くなって2年目の春になります。
一方では、たばこを吸わない方の肺がんもあります。たばこだけが肺がんの原因ではないのです。肺がんには、「小細胞肺がん」(約20%)と「非小細胞肺がん」(残り80%)があります。小細胞肺がんは進行がとても速いのですが、抗がん剤、放射線治療も有効で、限局して見つかると治癒される方も多くみられます。
非小細胞肺がんには、腺がん、扁平上皮がん、大細胞がんなどがあります。特に女性の肺がんは、肺野(肺の中)にできる腺がんが多く、早期では咳などの症状が表れません。手術できるのはⅠ~ⅢA期(リンパ節転移が少ない)です。放射線治療、化学療法も大変進歩しましたが、完全に手術で取り切れるかどうかが重要になります。
肺がんは、まだまだ減らないと思いますが、早く見つけて治すことが肝心です。