13人死亡で厚労省が緊急提言も「無痛分娩」の誤解と真実
◆鉗子・吸引分娩で子供が傷つく?
もちろん、無痛分娩には通常分娩にはないトラブルがある。硬膜外鎮痛剤の副作用として「足の感覚が鈍くなり、足に力が入らなくなる」「尿意が少なくおしっこが出にくい」「かゆみが出る」など。ほかに、「麻酔が思ったように効かなかった」「麻酔が効き過ぎたせいでうまくいきめずに子宮収縮がうまく行えず、鉗子や吸引分娩になった」「すぐ治ったが鉗子や吸引分娩で赤ちゃんの頭部に擦過傷ができた」などがある。
出産費用も通常分娩より数万から20万円程度高くなる。
◆子供の成育にマイナス?
「無痛分娩だと、母体に注射した麻酔薬の一部が胎児に流入して子供のその後の成育に問題が残るのでは、と不安に思われる方もおられます。しかし、実際にそれで不具合が出たという研究報告はありません」
なお、無痛分娩には痛み以外のメリットもあるという。
例えばお産の痛みが軽くなることで、「出産時の脳卒中が心配になるような高血圧の妊婦でも出産できる」「陣痛中に消費される酸素量が少ないため、心臓や肺の具合が悪い妊婦さんも負担が少なく出産できる」などだ。
高齢出産が増えている現状では、無痛分娩は検討すべき出産方法のひとつ。医療機関選びなどで十分な注意は必要だが、むやみに恐れる必要はないのではないか。