肝臓がんのほとんどは肝炎ウイルスの感染が原因
運送会社に勤めるSさん(65歳・男性)は、20歳を過ぎた頃から毎日のようにお酒を欠かしませんでした。
45歳の時、現在勤めている会社に入社しましたが、その際の肝機能検査でC型肝炎であることが分かりました。Cさんは定期的に検査を続け、インターフェロンの治療を受けました。
しかし結局、C型肝炎ウイルスの排除はできませんでした。
以来、Cさんは飲酒を完全にやめましたが、6年前に3個の肝臓がんが見つかり、同時に肝硬変と診断されました。この時、3個のがんはラジオ波で焼灼する治療を受けました。時々だるい感じはありましたが、それ以外にむくみはなく、肝硬変による食道静脈瘤も軽度と言われていました。
さらに3年前には、定期の超音波検査で肝臓がんが2個再発したことが分かりました。ただ、これも小さなもので、再度ラジオ波で焼灼できました。現在、医師から「がんはない」と言われていますが、定期検査は欠かさず受けています。
肝臓がん(原発性肝細胞がん)の原因はほとんどが肝炎ウイルスの感染です。C型肝炎ウイルス感染の約半数は輸血によることが分かっていますが、残りの半数はよく分かっていません。Cさんも最初にC型肝炎が分かった時点で過去に輸血を受けたことはなく、症状も特にありませんでした。