2003年冷夏も急増 “第二の梅雨明け後”の熱中症に要注意
「熱中症は比較的低い気温が続いた後、急激に気温が上がった後は、気温自体がそれほど高くなくても多発する傾向があります。梅雨の最中でも梅雨明け後でも最初の熱波(人体の熱収支に影響の大きい湿度、輻射熱、気温を取り入れた指標WBGT28度以上が数日続いた状態)後に熱中症患者が急増するのと同じです」(林院長)
■冷夏で暑熱順化が劣化する?
一般的な夏なら、その後も高い気温が維持されるため、人は体内に熱がこもらないよう、汗をかいて温度調節できる体になっていく。これが「暑熱順化」だ。その結果、気温は高止まりしても熱中症患者数は減る。
「ところが、今年のように8月中旬以降に気温が低い日が続くと、せっかく8月はじめに完成した暑熱順化の効果が少しずつ減少してしまう恐れがあるのです」(林院長)
一般的に暑熱順化は暑くなり始めて3~5日で変化が出て、2週間ほどで完成する。一方、暑さが和らぎ、暑熱の負荷が止まると、そこから1~2週間で効果が減少し、3週間で完全に消失するといわれている。