子供の突然死の主要原因…「心臓震とう」が死を招く
■ボールが胸に当たった後倒れたら深刻
知っておくべきなのは、呼びかけても反応がなく、普段通りの呼吸をしていなければ、まずは胸骨圧迫を始める、ということ。
特に深刻なのは、「ボールが胸に当たった後、倒れた」場合。すぐさま駆け付け、胸骨圧迫を行い、AEDが到着したらそれを使用。同時に救急車も呼ぶ。
「スポーツ中に胸の真ん中から左側に衝撃が加わると『心臓震とう』を起こす可能性があります。突然死の原因のひとつで、小児に多い」
胸への衝撃で心室細動などの不整脈を起こし、心停止となる。小児が要注意なのは、胸の筋肉や骨が未熟で衝撃が心臓に伝わりやすいからだ。
衝撃は、必ずしも強いものとは限らない。心臓震とうを起こした胸部への衝撃の原因を調べたデータによると、最も多いのが野球のボールで、続いて、フットサルのボール、空手、ソフトボールのボール、柔道の投げ技による背部打撲。いろいろな力が加わって起こるといわれている。
「心臓震とうを起こしても、すぐに倒れません。脳に酸素を含む血液が残っているので、胸への衝撃のあと数歩歩いたり、ボールを拾いに行ったりし、それから意識を失って倒れる。この場合、周囲は『どうしたんだろう』と見てしまいがちですが、すぐに動きだしてほしい」