川崎病の患者さんは若くしてバイパス手術を行うケースが
手術を行うとき、患者さんが高齢者と若年者では、考えることが変わってきます。たとえば、高齢者に比べて若年者の方が術後の人生が長い分、より耐久性が高く長持ちするような手術を行わなければなりません。
また、患者さんが若い女性だった場合は、術後に結婚、妊娠、出産といった将来が控えているのが一般的です。川崎病でバイパス手術が必要な若い女性患者さんや親御さんからは、「手術を受けても妊娠や出産が可能なのか」と尋ねられることがほとんどで、必ずといっていいほど「子供に遺伝はしませんか?」という質問を受けます。
川崎病は、まだはっきりとした原因が分かっていないのですが、遺伝する病気ではありませんし、伝染病でもありません。バイパス手術を受けた後で心筋の血流が回復し、問題なく出産して親となり、しっかり子育てされている患者さんばかりです。本人も定期的にかかりつけの医師を受診して、なんの問題もなく日常生活を送ることができます。
当院でバイパス手術を行った10~20代前半の未婚女性だった川崎病の患者さんは、術後にみんな2~3人の子供をもうけています。心臓にトラブルが起こることもなく、母として強くたくましく生活されています。
若くして川崎病でバイパス手術を受けることになっても、まったく悲観する必要はないのです。