年内接種は無理? インフルワクチン250万本不足の懸念
「そのことが、会社や学校の集団感染を防ぎ、接種対象となっていない生後6カ月未満の乳児や、アレルギーによりワクチン接種ができない人を守ることにつながっています。インフルエンザは乳幼児や高齢者の肺炎を併発させ、糖尿病や心臓病などの基礎疾患を悪化したりしますから、この効果は軽くは考えられません」
逆に言えば、今回のワクチン不足はこうした集団や弱者を危険にさらすことにつながりかねない。
むろん、予想と違うウイルスが流行したり、予想が当たってもウイルス変異により、思うような効果が出ない事態も考えられる。しかし、当初予想と違うワクチンを作り、それが品不足というのは心配ではないか。
しかも、今年のインフルエンザへの懸念はそれだけじゃない。
「インフルエンザにかかった人はタミフルなどの抗ウイルス剤を使いますが、脳症などを心配される場合は一般的にアセトアミノフェンと呼ばれる解熱鎮痛剤を使います。ところが、これを多く生産している国内の医薬品原薬メーカーが承認内容と異なる方法で製造したものを流通させていたことが報道され、生産がストップ。10月中に顆粒のアセトアミノフェンが品薄になるとの懸念が報じられたのです」