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永田宏長浜バイオ大学コンピュータバイオサイエンス学科教授

筑波大理工学研究科修士課程修了。オリンパス光学工業、KDDI研究所、タケダライフサイエンスリサーチセンター客員研究員、鈴鹿医療科学大学医用工学部教授を歴任。オープンデータを利用して、医療介護政策の分析や、医療資源の分布等に関する研究、国民の消費動向からみた健康と疾病予防の解析などを行っている。「血液型 で分かるなりやすい病気なりにくい病気」など著書多数。

孤独<1>10~44歳で死因1位の自殺は孤独とも密接に関連

公開日: 更新日:

脳梗塞糖尿病リスクも上昇

 自殺だけではありません。いま世界中で、孤独と病気や死に関する研究が進んでいます。分かっているだけでも、孤独は心筋梗塞や脳梗塞の発症リスクを1.2倍から1.5倍も高めることが確認されています。2型糖尿病(肥満など生活習慣による糖尿病)のリスクは3割から5割も上がり、しかも食事管理などがうまくできないため、悪化しやすくなります。高血圧が増えますし、免疫力が下がります。また高齢者の孤独は、認知症のリスクを6割以上も高めてしまうことも分かってきました。

 つまり孤独を放置すると、現役世代の労働力の低下につながり、医療費介護費が増えるというわけです。日本の人口はイギリスの2倍。しかも自殺者が多いため、孤独がもたらす経済損失は毎年10兆円を大きく超えているはず。孤独はいまや、国家的な大問題というわけです。

【連載】がんや心臓病より怖い

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