顕微鏡用いた「低位結紮術」で精子異常男性の6~7割が改善

公開日: 更新日:

 精巣動脈周囲にある細かい静脈も顕微鏡を使って確実に結紮切断することで静脈瘤は消失する。手術時間は1時間程度で、デスクワークなら翌日から仕事が可能。再発率は2%以下という。

「手術を受けてから精液所見が改善するまでには、おおよそ3~6カ月かかる。そのため早く妊娠を望むカップルは、手術よりもART(体外受精や顕微授精)を選択することが多いのですが、精子の状態が悪ければその治療成績も落ちる。ですから、ARTと並行して精索静脈瘤の手術をするのが有効な治療といえます」

 最近分かってきたのは、手術によって精子の「質(DNA断片化率)」が改善されることだ。精液所見よりもずっと早い術後2カ月くらいで改善してくる。ARTをしなくても、手術だけで自然妊娠する人も20%以上いるという。

 また、男性不妊の占める割合は少ないが、比較的見つかりやすい原因に「低ゴナドトロピン性性腺機能低下症」というホルモン分泌異常がある。この場合、不足しているホルモンを週2~3回注射(自己注射可能・健康保険適応)して補充する。精子が改善し始めるのは大体6カ月以降。無精子症の人でも、80%は精子形成が確認できるという。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    男性キャディーが人気女子プロ3人と壮絶不倫!文春砲炸裂で関係者は「さらなる写真流出」に戦々恐々

  2. 2

    協会肝いりゲームアプリ頓挫の“張本人”は小林浩美会長…計画性ゼロの見切り発車で現場大混乱

  3. 3

    巨人・田中将大 戻らぬ球威に焦りと不安…他球団スコアラー、評論家は厳しい指摘

  4. 4

    SixTONES新冠番組を潰しにかかるTBS日曜劇場の本気度 道枝駿佑、松本潤、目黒蓮が強力な"裏被り”連発

  5. 5

    長渕剛「理不尽と戦ってほしい」鹿児島の母校卒業生にエールも…元女優から新たな告発

  1. 6

    侍J井端監督が正捕手に据えたい大本命は…3月強化試合への招集は「打倒甲斐」のメッセージ

  2. 7

    「胎動」と「混迷」が交錯するシンドイ2年間

  3. 8

    吉幾三(5)「お前のせいで俺と新沼謙治の仕事が減った」

  4. 9

    長山藍子のおかげでわかった両眼のがんを極秘手術

  5. 10

    ニセコで横行する「海賊スキースクール」…中国系インストラクターやりたい放題で認定校とはイタチごっこ