尖圭コンジローマ<1>感染源は元カレ?潜伏期間は最大8カ月
ところが、元カレにも関係があるのだ。同院の尾上泰彦院長が言う。
「尖圭コンジローマは、病原体に感染してから発病までの潜伏期間が約3週間~8カ月(平均3カ月)と長いのです。そのため、前のパートナーの状態も把握する必要があります。A子さんの場合、もし元カレに尖圭コンジローマが認められれば、それが感染源として最も疑わしいことになります。潜伏期間が長いため、このような誤解を招くケースがあるのです」
そこで確認のため、A子さんに元カレに電話してもらった。やはり元カレはA子さんと別れてから、尖圭コンジローマの治療を泌尿器科で受けていたことが判明。感染源は元カレだったのだ。
また念のため、A子さんの現在の彼氏にも来院してもらい診察をした。幸いなことに、その時点で発症はしていなかった。しかし、尖圭コンジローマは治療後3カ月以内に約30%が再発するといわれる。治療後3カ月経過して再発がなければ、とりあえず治癒となるが、その後も再発する場合があるので約6カ月は経過観察をすることが重要になるという。
「尖圭コンジローマは、ヒトパピローマウイルス(HPV)が皮膚や粘膜の微小な傷から感染して生じるイボです。外用薬や外科切除などの治療でイボを取っても、HPVは表皮の最も深い基底細胞に存在し、免疫力が低下すると再発しやすくなる。絶対的治療法はないので、治療は再発との闘いでもあるのです」
次回は、HPVの種類やワクチンを取り上げる。