インプラントは人工物だから虫歯にならない…は大きな誤解
「入れ歯しかない」と、何とか40年我慢して生きてきたところ、インプラントの存在を知り、都内の歯科医院でインプラント治療を受けたのです。しかし、数百万円かけたインプラントが揺れてきて不信感が募り、当院に飛び込んできたのでした。
治療に取りかかろうと麻酔をして上部構造(かぶせ物)を外そうとすると、何と上顎すべての歯がインプラントごと外れました。インプラント周囲炎でした。
インプラントは悪い治療ではありません。多くの患者さんの生活の質の向上に欠かせない医術のひとつです。しかし、通常の歯科治療以上に慎重な診断が必要で、生体解剖、材料、免疫、組織、病理などの基礎知識。さらには口腔外科、補綴(ほてつ)、歯周、放射線、麻酔などのさまざまな歯科臨床の知識と技術が求められます。ですから、慎重に歯医者さんを選ぶ必要性があるということなのです。
(構成=小澤美佳)