尾上泰彦
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尾上泰彦「プライベートケアクリニック東京」院長

性感染症専門医療機関「プライベートケアクリニック東京」院長。日大医学部卒。医学博士。日本性感染症学会(功労会員)、(財)性の健康医学財団(代議員)、厚生労働省エイズ対策研究事業「性感染症患者のHIV感染と行動のモニタリングに関する研究」共同研究者、川崎STI研究会代表世話人などを務め、日本の性感染症予防・治療を牽引している。著書も多く、近著に「性感染症 プライベートゾーンの怖い医学」(角川新書)がある。

風邪ウイルスにご用心「はやり目」がペニスにうつる?

公開日: 更新日:

 目が真っ赤に充血している、オシッコをするとペニスがすごく痛い。

 この2つの症状が同時に起きても、普通なら別々の病気だと思うでしょう。そして、眼科と泌尿器科を受診する。その対応は間違っていませんが、この2つの症状はひとつのウイルスが原因で発症することがあるのです。

 それは“風邪”の原因のひとつである「アデノウイルス」の感染で引き起こされます。アデノウイルスは100種以上の血清型や遺伝型があり、その型によって「呼吸器感染症」「プール熱(咽頭結膜熱)」「はやり目(流行性角結膜炎)」「出血性膀胱(ぼうこう)炎」「胃腸炎」などさまざまな症状が表れます。また、同じ型でも感染者によって、咽頭炎が主であったり、結膜炎が主であったり、下気道炎が主であったりします。

 そして尿道に感染した場合には、激しい排尿時痛が特徴の「アデノウイルス性尿道炎」を起こします。尿道口から分泌物が出ることもあり、その場合には淋病のような黄色いうみが出るのではなく、クラミジアの症状に似てサラサラした水様性分泌物が出ます。

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