著者のコラム一覧
清澤源弘自由が丘清澤眼科院長

1953年、長野県生まれ。東北大学医学部卒、同大学院修了。86年、仏原子力庁、翌年に米ペンシルベニア大学並びにウイリス眼科病院に留学。92年、東京医科歯科大眼科助教授。2005-2021年清澤眼科院長。2021年11月自由が丘清澤眼科を新たに開院。日本眼科学会専門医、日本眼科医会学術部委員、日本神経眼科学会名誉会員など。

緑内障点眼薬の治験への参加を誘われた…どうすればいい?

公開日: 更新日:

【Q】緑内障の治療でかかりつけの眼科の先生から、緑内障点眼薬治験への参加を誘われました。これって安全なのですか? 本人へのメリットは? また、参加を断っても嫌がられませんか?

【A】 新しい薬剤を臨床の場に導入するために、一般の協力者を対象にした治験が行われる必要があります。最近、新型コロナウイルス感染症の治療薬やワクチンの開発が急ピッチで進められ、薬の有効性と安全性を明らかにする目的で治験が必要であることがマスメディアで紹介されることが多くなりましたので、この言葉を耳にしたことがある方も多いことと思います。従来、治験は大学病院などで行われることが多かったのですが、最近は、一般的な病気の患者さんが通院する街の開業医でも、かなり行われるようになりました。それに伴って充実してきたのがCRC(クリニカルリサーチ=治験=コーディネーター)の役割です。

 治験は、新しい医薬品の承認申請のために、製薬企業などから依頼されて行われます。CRCは、製薬会社から依頼を受けた治験施設支援機関から、実際に治験を実施する各診療施設に派遣されます。治験対象疾患の患者さんで、病状が安定し、治験に参加していただくことに危険が少なく妥当であると主治医が判断した方に対し、CRCから治験の概要を説明してくれます。さらに、目の手術歴、薬剤使用歴など、治験参加の条件を満たしているかどうかを再確認し、ご本人に同意いただけた場合、次回以降の予定を組み立ててくれます。毎回の検査に立ち会い、点眼および各測定が正確に行われるよう確認し、測定結果を症例報告書にまとめてくれます。

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