著者のコラム一覧
坂本昌也国際医療福祉大学 医学部教授 国際医療福祉大学 内科部長・地域連携部長

専門は糖尿病治療と心血管内分泌学。1970年、東京都港区生まれ。東京慈恵会医科大学卒。東京大学、千葉大学で心臓の研究を経て、現在では糖尿病患者の予防医学の観点から臨床・基礎研究を続けている。日本糖尿病学会、日本高血圧学会、日本内分泌学会の専門医・指導医・評議員を務める。

検診受診率が前年同時期比30%減で重大病見逃しのリスク増

公開日: 更新日:

 相当重症になってから救急車を呼ぶため、病院にたどり着くまでに死亡するケースが激増しているというのです。

■特に年末年始は要注意

 私の専門分野においては、血糖コントロールが良くなっていた方が受診控えをしたり、HbA1cや血糖値が高めだった方が健診を受けないで過ごしてしまうことの弊害は大きい。前者であれば、血糖コントロールがまた悪くなれば、いい状態に再度持っていくのに時間がかかります。せっかく血糖コントロールを良くしていても、いったん悪くなり、その期間が長く続くと、心筋梗塞脳卒中のリスクが上昇してしまいます。今年は、特に年末年始は要注意と考えています。

 コロナ太りが話題になるほど、ただでさえ活動量が減りがちな昨今。健診を受けないでいる間に一気に数値が悪くなり、次に健診を受けた時には糖尿病がかなり進んでいることも考えられます。

 糖尿病は、長く「治らない病気」というのが常識でした。しかし最新の考えでは、糖尿病発症初期に厳格に血糖コントロールに努め、それを維持すれば、薬を服用していてもやめられる可能性はあるとされています。実際、私の患者さんも、劇的な生活習慣の変化によって血糖コントロールが素晴らしく良くなり、薬をやめられた方が何人かいます。

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