黒目の周りに白い弧が…40代以下の「老人環」に要注意
老人環はその名の通り主に老化によって起きる。60歳以上の人の約60%にこの状態があり、80歳以上ではほぼ100%がこれを持っている。
「原因は角膜の表面に近い部分に形成される脂肪沈着です。血液中の脂肪は、人の食事中の脂肪に由来し、肝臓でも生成されます。コレステロールは血中に表れる脂肪の一種です。ただし、老人環の発生は、その患者のコレステロール濃度が高いことを必ずしも意味しません」
■脂質異常症が隠れているケースも
しかし、45歳くらいまでの人に老人環が出たとしたら話は別だ。放置すれば、心臓疾患、脳卒中などにつながる脂質異常症が見逃される可能性がある。そのため医師は若くして老人環がある人は脂質異常症を疑い、血液検査を行うことがある。
脂質異常症には、LDL(悪玉)コレステロールが140㎎/デシリットル以上の「高LDLコレステロール血症」、HDL(善玉)コレステロールが40㎎/デシリットル未満の「低HDLコレステロール血症」、中性脂肪が150㎎/デシリットル以上の「高トリグリセライド血症(高中性脂肪血症)」が含まれる。