閉経後の不調を「加齢によるよくある症状」と軽視しない
「トイレが近い」「尿漏れする」「歩くだけでデリケートゾーンがかゆい、痛い」「セックスのときに痛みがでる」――。
閉経後、日常的にこのような不快な症状に悩まされる人が4~5割ほどいるといわれています。病院に行かずに市販薬や尿漏れパッド、潤滑ゼリーなどで何とかしようとする人が少なくないと思いますが、症状が続く場合は、病院に行くことをお勧めします。
これらの症状は「GSM(閉経関連泌尿生殖器症候群)」と呼ばれるもので、自己対処して良くなる類いのものではありません。閉経で女性ホルモンが低下し、その影響で膣や外性器、尿路が萎縮などを起こしていることが原因。人によっては、症状が進行したり悪化したりするケースがあります。
かつては萎縮性膣炎という病名で、“加齢によるよくある症状”という程度の扱いでしたが、2014年、国際女性性機能学会と北米閉経学会がGSMという総称を付け、それをきっかけに「QOLを著しく下げるため治療が必要な症状」と考えられるようになりました。日本でも、専門医がいるクリニックのホームページで詳しく説明されているところを見かけます。