いざというときに備え心臓手術を取り巻く状況を知っておきたい
心臓外科医の数が世界的に減少しているという。技術革新により心臓外科医に頼らなくてもできる治療法が開発されているからだ。その一方で、心臓に障害を持つ高齢者が増え、複雑な心臓外科手術を必要とするケースもいまなお多いことから、経験豊富な腕のいい心臓外科医の存在価値は高まっている。だからこそ、心臓に問題が起きやすい中高年は心臓手術に強い病院やその状況といった情報について日頃から敏感になった方がいい。心臓病手術をメーンとするニューハートワタナベ国際病院の渡辺剛総長に聞いた。
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「たしかに心臓病の代表的疾患である、心臓弁膜症手術の多くがいまは内科的なカテーテル置換術に変わり、心臓外科医の出番が減っているのは事実です。しかし、心臓の疾患の中には外科手術でしか治せないものも多い。また、複数の心臓疾患をひとつの手術で同時に治療しなければならないケースもあります。心臓外科医はその意味で絶対に必要な存在です。心臓手術をメーンとした当院は、さまざまな心臓病の治療が『ワンストップ』ででき、かつ『ラストホープ』としての存在価値を高めていくことになると思います」